「お客様に喜ばれるツアーを創る。コロナ禍でもその想いは変わらない。」PKG Journey line:TAM氏

MR. MONGKOL LUEANGSAKSRI(ニックネーム:TAM)
タイのツアー業界で10年以上の経歴を持ち、ガイドとしても活躍。
現在はPKG Journey line社でGeneral Managerとして勤務
https://pkgjourney.co/

TAMさんが旅行業界で働こうと思ったきっかけについて教えてください。

私はかつて日本語の通訳をしていましたが、友人にある日、観光業界で働かないか?と誘われたのがこの業界に入るきっかけです。通訳の仕事はルーティーンですが、観光の仕事はクリエイティブな力が求められるため、非常に楽しいです。 例えば、2つの旅行会社があって、2社とも同じ旅先を販売しているとします。同じ旅先を販売するにも、他社と違った面白いアクティビティーを探し追加することで、差別化ができます。ただツアーを売るだけでなく、どういう企画でどんなアクティビティーを入れればお客さんが喜んでくれるのか?そこにはクリエイティブな力とお客様へのサービスマインドもとても重要になります。

御社の強みについてお聞かせください。

昔、日本に旅行へする際はVISAを取得する必要がありました。個人でVISAを取得するのはハードルが高く、PKG Journey Line社はVISAの代理申請エージェントでもありましたので、他の旅行代理店へ申請も含めたパッケージツアーを販売していました。

また数年前にトヨタレンタカーとオフィシャルパートナーとして提携し、レンタカーを活用したツアー商品の販売を強化しています。日本全国をカバーしておりますので、どんな要望があっても対応できるのが弊社の強みでもあります。

特に弊社で過去に人気だったツアーは以下となります。

お申し込みされるお客様の層はどのような感じでしょうか?

弊社のお客様は以下2つに分類されます。

⑴パッケージツアー
取り扱う大半のホテルが四つ星以上となるため、ご両親も一緒にと考える比較的裕福な30歳以上の家族層が多いです。

⑵FIT(個人旅行)

期間が短い旅行の場合、25歳位から35歳位のミドルクラスの女性のお客様が多く、45歳以上のお客様層が比較的レンタカーを多く利用される傾向があります。

訪日旅行のお申し込み者数は年間どれくらいなのでしょうか?また新規・リピートの割合についてお聞かせください。

毎年10,000人位のお客様を日本へ誘客しています。タイでの旅行者はFIT(個人旅行)が増加していますが、弊社のお客様は富裕層が多く、はじめの何回かはパッケージツアーでお申し込み、その後FITへとシフトしていきます。弊社では、お申込み全体の約9割がパッケージツアーとなります。

新規とリピーターの割合については、訪日客全体(パッケージ&FIT)で新規20%、リピータ80%という割合で、パッケージツアーが新規40%、リピータ60%という割合となります。訪日客の特徴としてはリピータが非常に多いです。

団体・個人のお申し込みの割合はどうでしょうか?

昔は団体旅行のお客様の方が多かったのですが、ここ2、3年はFIT(個人旅行)のお客様が多くなってきています。弊社としてもFITのお客様向けにトヨタレンタカーとオフィシャルパートナーとして提携しました。

タイの旅行会社ではレンタカーを取り入れた旅行商品がない中で、早々とトヨタレンタカーと提携して旅行商品を作りましたので、ある意味タイではパイオニア的な旅行会社ではないかと自負しております。

https://pkgjourney.co/pkg-journey/

お申し込みはオンラインが多いのでしょうか?

弊社のお客様は圧倒的に店舗への来店お申込みが多いです。オンラインはどちらかというとツアー詳細や弊社を知ってもらう接点の場となっています。

理由としましては、弊社で取り扱う旅行商品のほとんどが四つ星以上のホテルのため、本当にこの会社(弊社)で申し込んで大丈夫なのか?実際に店舗を訪れ、営業マンと対話をして最終的にお申し込みするという傾向が強いです。

旅行商品のPR展開などについてお聞かせください

現在はオンライン中心のプロモーションになりますが、コロナになる前まではオンライン、オフラインともに積極的にPR活動を行っていました。特にオフラインは、イベントへの出展、新聞での告知、タイのコンビニエンスストア(セブンイレブンなど)でのポスター掲示などオンラインに比べ力をいれていました。

コロナでビジネスも大変かと思います。お仕事に対するモチベーションは大丈夫でしょうか?

今回のコロナの影響で弊社もビジネスを維持していく為に従業員数80人から10人ほどになりました。正直一緒に働く仲間が少なくなり寂しい気持ちはありますが、仕事に対してはモチベーションが下がることはありません。なぜならコロナが収束すればチャンスがまた訪れると信じているからです。コロナが収束するまでは、いろいろと我慢が必要だと思っています。

私も弊社社長も中長期でビジネスを考えており、今大変で厳しいからやめるという選択肢はなく、短期的には厳しい状況ではありますがあきらめずに進んでいこうと思っています。

来年の訪日観光について御社のお考えなどありましたらお聞かせください

日本への旅行はコロナになる前はとても人気な目的地でしたので、コロナが収束すればまた以前のように人気は出ると私は思っています。ただ、ポストコロナで以前のようにVISAなしで旅行をすることができるのか?そしていつ自由に渡航できるのか?という点は気になります。通常、この時期(10月~12月)はパッケージツアーを作る時期でとても忙しく毎月日本への旅行は完売するほどでしたが、現在はコロナ禍のため、社内では来年のソンクラン(2022年4月)に向け協議を始めました。

おそらくお客様の旅行先も人が多い都会を避け、自然豊かな地方へと大きく変わると思いますので、都心部を避けた地方を中心にツアーを考えていきます。ただ現時点では状況が読めないので、日本の政策を確認しながら柔軟に対応していきたいとも思っております。

最後に何か日本の関係者の方々へメッセージなどありましたらお聞かせください

私がこれまでに参加したZOOMセミナーは一方的な情報発信(ここに来て欲しいという説明)が多かったので、それはそれとして大事ではありますが、我々として欲しい情報はポストコロナ後の観光地の対策や方針などについてです。

また、ひとつ希望をあげるとするならば、今、日本の自治体もローカルビジネス(地元の飲食店など)を応援する事に一生懸命かと思います。例えばそういったローカルビジネスでお得な情報(割引情報)などがあれば、我々のような現地旅行会社へ共有いただくことで、誘客へのフックとなりますし、お店や自治体の売上に貢献でき、お互いにWINWINになるかと思うので、こういう情報も欲しかったりします。

なかなか先が読めない状況ではありますが、弊社のお客様は日本好きの方が多い為、是非いろいろなエリアをタイ人にお勧めしたいと思っています。

インタビュー:PKG Journey line社 TAM氏
別記事:コロナ禍における食材輸出促進の可能性は?