「タイは日本と似ている」タイNo.1訪日観光メディアmarumura創業者 Boo氏

 2020年より弊社とパートナー契約を結んでいるmarumuraの創業者Thanathorn Ngammongkolwong (Boo)氏。日本への渡航回数は100回以上と日本人より日本中を渡り歩く彼に、あらためてmarumura創業の経緯と今後の観光業についてインタビューしました。

marumuraをスタートした経緯は?

 会社創業前は日本のツアーを企画する旅行会社でツアーコンダクターとして働いていました。日本の仕事に携わっていくうちに、日本とタイはとても深い関係がある事を知り、共通点も多いことに気が付きました。例えば、タイのアユタヤ県には江戸時代から日本人の村があったり、西洋文化の影響を受けるのもタイと日本は同じ時代であったという事など。

 私が初めて日本に興味を持ったきっかけは大分県にある豊後高田市に行った時のことです。そこは昔ながらの商店や理髪店がある昭和の雰囲気が漂う素敵な場所で、日本なのにどこか懐かしく自分の子供の頃に過ごした街並みと同じものを感じました。私は中華系タイ人なのでタイの文化は中国に近いと思っていましたが、実際に訪れてみてそれは間違いだと気付きました。それから私の日本に対する関心は仕事の枠を超え、もっと日本の事を知りたくなりました。

 それから、ツアー会社を辞めた後は何をしようか考えたのですが、当時タイには日本の様々なトピック(日本語・マンガ・旅行など)をまとめて取り上げているメディアがありませんでした。タイ人は自分が思っている以上に日本のことを知っています。例えば、将軍やサムライという言葉は説明をしなくてもタイ人は分かります。今流行っている韓国と比べてみても、タイ人は韓国の歴史や言葉はほとんど知りません。でも、日本のことならどんな話でも盛り上がります。タイ人にとってこんな国は他にはないと思い、誰もやっていないのであれば、みんなが日本について交流できるチャネルを作りたいと思うようになったのです。

 タイ人の10,000人は日本に夢中、100,000人は日本が大好き、1,000,000人は日本に興味を持っていますが、10,000,000の人が日本が嫌いということは絶対ないと思い、そこから日本について交流できるメディアのユーザーは数十万人はいるだろうと仮説を立て、marumuraを始める決心をしました。

日本に興味を持つきっかけとなった豊後高田市「昭和の町」

苦労されたことや嬉しかったことを教えてください

 苦労したことはプログラミングやウェブサイト制作の技術です。今もまだ上手ではありませんが、たくさんの方々に助けて頂いているので、それ以外は特にありません。

 嬉しかったことは閲覧者から良いフィードバックを頂いたことです。アーティストと一緒です。作品を作れば、聞いたり、見てくれる人がいます。閲覧者から良いフィードバックを頂いたり、興味を持ってもらえることが一番嬉しいですね。開設当初は 月に10,000人程度の閲覧者でも嬉しかったのですが、現在は1日10,000人以上のたくさんの方々に閲覧頂いております。

仕事をする上で大事にしていることは?

 情報の正確さとスピードです。正しい情報をできるだけ早く投稿することと、間違ったら、できるだけ早く修正することを大事にしています。

お気に入りの日本の観光スポットを教えてください

 一番のお気に入りスポットは新潟県にある佐渡島です。3回訪れたことがあるのですが、すごく静かでリラックスできる場所です。観光スポット以外のところはとても静かで、レンタカーでドライブ中に住宅街を通っても、道を歩いている人は一人も見かけませんでした。まるでゾンビ街のようでした。(笑) でも悪い意味ではなく、そんな雰囲気が私にとってとても居心地が良かったです。お気に入りの観光スポットと考えてしまうと気分によって「今回の旅行はアクティビティを体験したい!」とか「今回はリラックスしたい」など旅行の目的が変わります。しかし、佐渡島で感じられる居心地の良さや雰囲気は他にはありません。日本へ旅行に行く際はできるだけ地方の小さい町に行くようにしていますが、佐渡島ほど穏やかな町をまだ見つけられていません。佐渡島は今まで訪れた中で一番の場所です。また行きたいです。

佐渡島の尖閣湾
佐渡島の北沢浮遊選鉱場跡
佐渡島のたらい舟体験

コロナ後にタイ人が一番行きたい場所は日本だと聞いています。

そうですね。タイ人はタイより経済が成長している国に旅行する傾向があります。特にタイから飛行機で6時間ぐらいの移動圏内である日本は一番人気があります。そして、日本はタイと関係性が強い国でもあるので日本に行きたいタイ人が今すごく増えています。例えば「食文化」。昔のタイ人は刺身や日本料理が食べられませんでしたが、今ではタイにも日本食店が増え日本食がとても身近になりました。宿泊施設や航空券もオンラインで気軽に購入が出来るようになり、手続きも簡単になりました。日本はタイ人のナンバー1 観光デスティネーションと言えます。

今タイ人は日本の観光にどういったことを求めていますか?

コロナでこれからみんな健康をもっと意識するようになっていきます。各観光地は安心感と観光客からの信頼を築くことが大事です。

旅行スタイルの変化について意見がありますか?

近年自分で旅程を組み立てて旅行に行く観光客(FIT)が多いですね。ですので今後は観光客が簡単に行ける観光ルートを投稿していきたいです。今まで何度もFAMトリップに招聘頂いたことがあるのですが、紹介する予定の観光ルートは実際に自分が旅行するにはなかなか難しい観光ルートだったりします。特に紹介する飲食店は贅沢な高級店の場合が多く、実際に自分が観光客として行くにはハードルが高いと感じるものも多かったです。また酒蔵や味噌の工場のような観光地もタイ人は苦手です。今後、機会を頂けるのであればタイ人の自分自身が気軽でもっと旅行したいと思えるようなルートを紹介したいです。

今日本はタイ人が忘れないようにどうするべきですか?

観光ブームだった頃は有名な観光地ばかりがメディアに掲載されていました。今は多くの観光地や自治体がプロモートを止めているので、渡航開放になったタイミングで最初に来てもらえるように、今から情報発信していくのはチャンスだと思っています。

marumura
年間PV1300万/UU270万。タイNo1の訪日観光メディア。
2017年にJNTOのJapan Tourism Award受賞。
https://www.marumura.com/