タイのお酒事情

タイ人にとっては国民の9割が仏教を信仰しているため[アルコール=悪]の意識が根底にあると言われています。そのためPR活動も制限が多く、タイの商習慣など理解頂いたうえで今後の日本酒など輸出促進などに役立てて頂ければと思います。

アルコール規制

年齢制限:2008年から20歳以上(以前は18歳以上)

販売時間:11:00-14:00 / 17:00-24:00
禁酒日:毎年事前に発表された下記の日程でホテルの客室やミニバー以外は
禁止です。2月万仏祭、5月仏誕祭、7月三宝節・入安居、10月出安居、
選挙投票の前日 18:00から投票日当日。その他国王関連のイベントなど
販売禁止日が直前に発表されます。
飲酒禁止場所:公園、寺院や学校、医療機関(薬局含む)
役所、ガソリンスタンド
※路上は規制の対象ではないですが、取り締まりの対象になる可能性があります。

アルコール規制法(販売時の禁止事項):

  • 自動販売機の使用
  • 移動販売
  • アルコール飲料の購入者へノベルティなどの特典配布
  • 無料サンプル提供
  • アルコール飲料を飲むように誘導
  • オンライン販売(2020年9月8日から)

アルコール規制法(広告の禁止事項):

  • 飲酒に誘導するためのアルコール飲料の名称や商標を宣伝目的での使用
  • SNSでの宣伝文・誘い文句の使用
  • 芸能人・有名人を起用したアルコール飲料の写真投稿

タイ人はお酒を飲まないのか?

 2017年の統計によると週に1回飲酒している人は698万人(人口の12.5%)というデータが出ています。一番飲まれているアルコールはビールで全体の47.4%になります。飲酒している人の62%が家で、38%は飲食店などで飲まれているようです。

なぜ広告が使えないのか?

タイではアルコールは依存性薬物の扱いとされ、未成年でも手に入りやすい、他の依存性薬物への誘発を危険視しているため強い規制をかけています。そのため広告に制限をかけることは未成年を守る、事故や社会への悪影響を防ぐことから始まっています。

お酒メーカーはどうやって認知や告知をしているのか?

 タイ大手のビール会社(SINGHAやCHANG、HEINEKENなど)はスポーツや音楽業界、音楽フェスなどでタイアップやスポンサーになっています。その他ビール会社のロゴが入ったTシャツや帽子などのグッズが出店などで販売されているので認知度アップの一つの戦略だと思います。

 アサヒビールはセブンイレブンなどのコンビニ各社の棚に陳列されたことをきっかけにタイ国内での認知及び販売が拡大されたようです。またレストランなどにアサヒビールを売るビアガールを頻繁に派遣することでレストランの売上をあげる=アサヒの売上をあげるといった販売チャネル向けの販促活動もしています。

広告規制があるもののいくつか抜け道は存在する。

  • ブランドロゴは掲載してもよい
  • ブランドロゴを掲載する際は広告紙面の5%以内
  • タイ国外の広告(ネット上)は規制の対象外
タイ向けアサヒスーパードライのFBページから引用

https://www.facebook.com/AsahiSuperDryBeer